無人店舗モノタロウAIストア に行ってみた
モノタロウ社が無人店舗をオープンしたということで、行ってみたレポート。
佐賀大学へ
無人店舗の場所は佐賀大学の中にあるらしい。え、うん、で、佐賀どこ?
画像引用 佐賀県 - Wikipedia
そこか。
勉強になります。 佐賀県の皆さんほんますみません。
羽田から佐賀空港まで2時間。佐賀空港からバスで佐賀駅へ30分。佐賀駅からタクシーで佐賀大学へ10分。佐賀大学の中は一般人でも自由に入れる。門や塀もなく割とオープン。大学内をテクテク奥の方へ歩いてくと、あった。
お店に入る
お店の入り口にはゲートがあって、(専用アプリの)QRコードをかざす必要がある。ゲートの横にはモニターがあって店内に何人お客さんがいるかがわかる。
QRコードはこのお店専用アプリ「モノタロウ店舗」が必要。それとモノタロウ(ネットショップ)のアカウントも必要。アカウントがない人はアプリからでも会員登録できる。
アプリを起動してモノタロウアカウントでログイン。
「入退店コードを発行する」をタップするとQRコードが表示される
そのQRコードをゲートにかざして入店
入れた。
買い物する
入店したら買い物する。店内はこんな感じ。
大学の敷地内とは思えないほどマニアックな商材がズラリ。
自宅のグラインダーの砥石が無くなってたなぁと思い出しながらも、砥石を買うのはマニアックすぎるので とりあえずマスクを。
買い物かごに入れるには、専用アプリでバーコードをスキャンする。バーコードは商品自体についてる。または陳列棚の値札にもついてる。
アプリの「バーコードを読み取る」をタップ
つまりは、ネットショップで買い物する仕組みで買っちゃうんだね。僕はモノタロウアカウントにクレジットカード情報を登録していたので、その情報を使ってアプリ内で決済がすぐ完了した。
アプリ内で買ったんだから、あとはその商品を持って帰るだけ。
退店もゲートがあるので、 入店時と同様にQRコードをかざして退店。商品一つ一つに盗難防止タグがついている訳でもないし、持ち出す商品が、「買ったのか?買ってないのか?」というチェック機能はないので、万引き可能。(どんなお店でも万引き可能だけど、お客さんのマインドの問題だよね。てか犯罪だよね。)
解析用なのか防犯用なのか、店内カメラはたくさん稼働してるので、きっとあとでバレるんだ。
AIストアの「AI」は?
一連の買い物体験を終えて、ふと疑問に思ったのは、AIストアって書いてる割にはAIを感じなかったよなぁ。ということで、お店の向かいにオプティム社があったのでアポなし突撃して聞いてみた。
お買い物自体はモノタロウさんのアプリで行うのでAIは特に関係ないとのこと。で、店内の入退ゲートの情報と店内カメラの情報を掛け合わせて入店から退店までのお客様の一連の行動や客層、何人1組で来たのか、などをAIを用いながら自動分析する仕組みが入ってるとのこと。そのため、来場客にはAIの部分はあまりわからないそうです。
ついでにオプティム社の中を見学させてもらいました。無礼なアポなし突撃だったのにご丁寧に案内していただき、そして帰りには暑かろうと冷たいお茶までいただき、親切な方々で、ファンになりました。ほんとにありがとうございます、というかお忙しい中、急にすみませんでした。
詳しくかけませんが「〇〇 × IT」ということで、いろんな産業において IoT / AI の活用をしておられました。模型を用いたデモ展示がすごく分かりやすくて良かった。
ここだけ直して
実用店舗というよりも実験店舗だろうから、体験上の細かなツッコミはナンセンスだとして、実際にお金を支払って買い物した人間からの要望として1つ。
斬新なオペレーションなので、自分がちゃんと支払ったかどうか不安になる。誰もいない状況で自己責任で商品を持ち帰る訳だから、「買った」という証拠を手元に用意したいという心理が働いた。だから、あとで購入者が安心できるように、アプリ内で購入履歴がわかるようにするのは必須だと思う。登録メールアドレスにも購入メールが来ないし。
モノタロウのウェブサイト・マイページにいけば購入履歴がちゃんと残っていた。もっと手軽に購入履歴を確認できるようにして欲しいな。
まとめと感想
まず40歳にして人生初の佐賀県。佐賀に行くキッカケをくれてありがとう。せっかくなので観光したさ。躑躅と神社と有田焼と伊万里牛🐂と洞窟とアウトレットモールとロッテリアと楽しかったさ。
陳列棚のセンシングとか、RFIDタグとか、そういうことじゃなく すごくシンプルな仕組みで実現されていて、とてもわかりやすかった。POSという意味で カートと決済 の部分はほんとにこういうシンプルなのでいいと思う。先日行ったヨーロッパのスーパーも、かなりの確率でセルフレジが設置されているし、無人化の流れはいろんな方法論で加速してゆくだろうなと感じた。
入退ゲート情報と店内カメラの解析による、店内情報把握サービスは、今回はその裏側までは見ることができなかったが、いま注目の分野なので大変興味深い。いまは個別案件ベースで高額な費用がかかるだろうが、いずれパッケージ化されて安価に利用できるようになるだろう。
店内カメラによる万引きしたかどうか自動検出機能のようなものは、需要が多そうなので早々に精度が上がる気がした。商品にICタグを埋めるより遥かにイージーに導入できるし。
課題
ITリテラシー → シンプルなUI/UX心がける。また 高齢者よりも若者向け商材が有利か
専用アプリを必要とする → 利用頻度の高い日用品や消耗品を扱う業態が有利
万引きの不安 → 防犯カメラデータからの自動検出精度向上に期待
無人でなくとも、スタッフ1名いるだけで充分実用レベルでいける気がする。
モノタロウさん、オプティムさん、オモロいお店を作ってくれたことに感謝。
GWにはシアトルAmazonGO、深センの無人店舗にも行ってみる